② 着ぐるみうさぎ&傷

着ぐるみうさぎ 🐰🐰🐰

 

白いうさぎの着ぐるみを着て

ヤンキー娘がコンビニへ行くという

わたしは笑いながら止める

「やめて 恥ずかしい」

「だいじょうぶ。ちゃんと上からダウンを着ていく」

白いうさぎの着ぐるみは

ヤンキー娘の傷ついた心を包む

 

うさぎになりたいのか

うさぎになって生き直すのか

 

いじめ

 

「死にたいの、死なせて」

娘の剃刀を取り上げて

「死ぬならご一緒に」

わたしは自分の手首を切った

赤い赤い母の血に 娘は 泣きながら言った

「こんな痛いことしちゃダメ」

母娘で 泣きながら笑った

 

こんなときにも人は笑えるのか

こんなときにも娘は まだ 母をいたわるのか

 

やっと過去を乗りこえ始めた娘は

白い着ぐるみうさぎが好き 

      

人間より兎の方が歩みが遅いとは 母さんには思えません

人間より兎の方が下等とは 母さんには思えません

 

うさぎは いじめなどしない

うさぎは うさぎは 嘘をつかない

うさぎは 人を騙さない

 

白い着ぐるみうさぎは愛らしい

pinyonpinyonと跳ねてコンビニへお行きなさい

「おかえりなさい」と

わたしも母さん🐰になって迎えましょう

 

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     10数年前、 詩の最後に、追記で書いていた 

真っ白の着ぐるみうさぎの毛が北風になびく

今日一日があなたにとって

なにごともない 平穏な日なら

母さんは それでいい

 

( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)<(_ _)>

上の詩は立ち直りの時に書いた詩 苦しみ(いじめの真っただ中)で書いた当時の詩は 

      

なんとなく悪い予感がして

娘の部屋をこじあけた

剃刀を手に

死人のように立つ娘の影、一つ

 

「死なせて」   娘は叫ぶ

「死んだらいかん、ぼくの大事な○○」

初めて見せる父の涙に  娘はひるむ

わたしは剃刀を取りあげた

 

赤い血が流れる

娘の血ではない   母の血

娘を止める言葉が見つからず どうしようもなくて

自分の手首を切った

 

母に包帯を巻きながら

娘は自分のためらい傷を見せて言う

「この痛みがあるあいだだけ、いじめを忘れられる

 血が流れているあいだだけ、忘れられる

 うずいているあいだだけ、忘れられる」

 

いじめ 心傷の深さを オモイシラサレタ 夜

忘れられないできごと

忘れてはいけない痛み

忘れてはいけない 傷

 

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昨日の敬老の日に、娘の孫がお祝いのハガキ(まだ字は書けないのでグルグル絵)を送ってくれた。神様、仏様、娘が死なずにすみました。結婚もしました。孫も産んでくれました。ありがとうございます。感謝、合掌。