③ 止まった時計(いじめ)&こんな時にも人は
止まった時計 ⏲
いじめ
娘が学校へ行けなくなった
あの日から
家の時計は 全部 止まった
娘が起きれないから
朝がいつ来たのか わからない
「ただいま」がないものだから
いつ陽が沈んだのかも わからない
娘ひとりが取り残されちゃ かわいそう
淋しかろうと
時計まで 時を刻まなくなった
「おやすみなさい」がないものだから
家は眠ったまま
時計も眠ったまま
朝も 昼も 夜も こない
娘ひとりが取り残されちゃ かわいそうと
止まった時計を
わたしは抱きしめる
時を刻もうが刻むまいが
同じ時計
だいじなだいじな時計

悲しみが大きすぎると、心の時計は止まるそうです。
止まった時計は、長い長い年月を経て また動き始めます。
ほんとうに長い長い年月でした。
こんな時にも人は笑えるのか
娘の剃刀を取り上げ切った母の手首を
15歳が 器用に包帯を巻く
「こんな痛いことをしちゃいかんよぉ、母さんにはカミソリ自殺はムリやけん」
どちらが親か子か
おもわずの笑い
こんなときにも娘は母を案じるのか
娘が笑う
私も笑う
笑いながら 泣いた
私は娘の耳元で そっとささやく
「一人で死んだらいかんよ 死にたくなったら言ってね
死ぬときはいっしょやけん、約束よ」
こくんと娘はうなづいた
それを見て夫が大真面目で言う
「おれもいっしょに死ぬ」
娘 即答
「お母さんと二人で死ぬけん お父さんは働いて」
ひさしぶりの笑い
こんな時にも人は笑えるのか
こんなときにも娘は母を案じるのか

② 着ぐるみうさぎ&傷
着ぐるみうさぎ 🐰🐰🐰
白いうさぎの着ぐるみを着て
ヤンキー娘がコンビニへ行くという
わたしは笑いながら止める
「やめて 恥ずかしい」
「だいじょうぶ。ちゃんと上からダウンを着ていく」
白いうさぎの着ぐるみは
ヤンキー娘の傷ついた心を包む
うさぎになりたいのか
うさぎになって生き直すのか
いじめ
「死にたいの、死なせて」
娘の剃刀を取り上げて
「死ぬならご一緒に」
わたしは自分の手首を切った
赤い赤い母の血に 娘は 泣きながら言った
「こんな痛いことしちゃダメ」
母娘で 泣きながら笑った
こんなときにも人は笑えるのか
こんなときにも娘は まだ 母をいたわるのか
やっと過去を乗りこえ始めた娘は
白い着ぐるみうさぎが好き
人間より兎の方が歩みが遅いとは 母さんには思えません
人間より兎の方が下等とは 母さんには思えません
うさぎは いじめなどしない
うさぎは うさぎは 嘘をつかない
うさぎは 人を騙さない
白い着ぐるみうさぎは愛らしい
pinyonpinyonと跳ねてコンビニへお行きなさい
「おかえりなさい」と
わたしも母さん🐰になって迎えましょう

10数年前、 詩の最後に、追記で書いていた ↓
真っ白の着ぐるみうさぎの毛が北風になびく
今日一日があなたにとって
なにごともない 平穏な日なら
母さんは それでいい
( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)<(_ _)>
上の詩は立ち直りの時に書いた詩 苦しみ(いじめの真っただ中)で書いた当時の詩は ↓
傷
なんとなく悪い予感がして
娘の部屋をこじあけた
剃刀を手に
死人のように立つ娘の影、一つ
「死なせて」 娘は叫ぶ
「死んだらいかん、ぼくの大事な○○」
初めて見せる父の涙に 娘はひるむ
わたしは剃刀を取りあげた
赤い血が流れる
娘の血ではない 母の血
娘を止める言葉が見つからず どうしようもなくて
自分の手首を切った
母に包帯を巻きながら
娘は自分のためらい傷を見せて言う
「この痛みがあるあいだだけ、いじめを忘れられる
血が流れているあいだだけ、忘れられる
うずいているあいだだけ、忘れられる」
いじめ 心傷の深さを オモイシラサレタ 夜
忘れられないできごと
忘れてはいけない痛み
忘れてはいけない 傷

昨日の敬老の日に、娘の孫がお祝いのハガキ(まだ字は書けないのでグルグル絵)を送ってくれた。神様、仏様、娘が死なずにすみました。孫もできました。感謝、合掌。
① ブーツを捨てちゃった
ブーツを捨てちゃった
シンデレラが深夜帰っておいでになった
翌朝、玄関にはロングブーツが左だけ
右はどこにあるのかしら
シンデレラは魔法が解けたら
ただのヤンキー娘
磨かれていない
ほこりだらけのブーツが
ちょこんと情けなく座っているだけ
シンデレラが落としたガラスの靴を
王子様がお持ちになるのではと
待って待って1週間
おとぎ話はやはり夢でした
しかたがないと捨てちゃった

どこに隠したの
お気に入りのブーツはどこ
口をとがらせて灰かぶり姫は聞きます
ママの靴も無断で捨てたら
腹がたつでしょう
仁王立ちの娘
あれは美脚ブーツと言って
魔法の靴だったの
捨てちゃったものは返らない
だいいち靴は左右あるから用が足せるもの
捨てちゃったもんね
やっと修理からもどってきたのに
娘は紙袋から右の靴を出した
綺麗に磨かれたガラスの靴は
クリームがつやつや輝いて娘の桃肌のよう
修理にヤンキーが持って行った
修理にこの娘が靴を出した
母の背をとうに越した娘を
わたしはおもわず抱きしめたくなります
りんごの頬にチユッチユッしたくなります
いじめから暴走
非行から無事、帰還
ただ今、一からやり直し中
進まない修復にもどかしく苛立ち
靴の行方を尋ねるゆとりのなさは
まさしくシンデレラの継母
情けない母です
もうしわけない母です ごめんなさい 🙇
捨てちゃいけない靴だった
諦めちゃいけない、娘の未来
捨てちゃいけない、子を信じる勇気
いつか必ず娘もシンデレラになる日がくる

平成○○年、市民芸術祭賞をいただいた時に詩評で「母子関係を実にうまく創造し・・・・・」と書かれておりました。
母娘で大笑い ➡ ➡ ➡ 創造ではなく実話でしたから。
10数年が経ち、なんとか、シンデレラ❓になり王子様と結婚、母となった娘が贈ってくれた母の日のカーネーションが上の写真です。
あれから十数年たつのに、いじめのニュースがなくなることはありません
娘は若干14歳で、胃潰瘍になりました。
母の私も、心配で寝込み、最後は死にかけました。その後遺症で足は今も治療器が外せません。足が痛むたびに、当時を思い出します。
どうぞ、どうぞ、お願いいたします。
どうぞ、どうぞ、学校の先生様、いじめを家庭のせいにしないでください。
どうぞ、どうぞ、いじめられている子を救ってください。
どうぞどうぞ家庭に問題があるなら、なおさら、せめて学校では笑顔でいれますようお心配りをお願いいたします。
同じ思いを、令和の子に させないでください。
どうぞ、どうぞ、よろしくお願いいたします。
<(_ _)>>︿<( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)( *^-^)ρ(*╯^╰)<(_ _)>